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脳腫瘍(聴神経腫瘍、三叉神経痛など)

脳腫瘍とは

頭蓋内に発生する新生物(異常な成長をする細胞)を脳腫瘍と言います。
頭蓋内の脳組織から発生する腫瘍を原発性脳腫瘍と言い、体内の他の臓器にある悪性細胞が血流にのって脳内に転移し増殖する腫瘍を転移性脳腫瘍と言います。


脳腫瘍の種類・頻度

脳腫瘍には良性から悪性まで多くの種類があります。
脳以外の臓器の悪性腫瘍は「がん」と呼ばれますが、脳の悪性腫瘍は「脳がん」とは呼ばれません。悪性度の分類は、世界保健機関(WHO)が定義する4つの「悪性度(グレード)」で示され、グレード3とグレード4は悪性度が高いとみなされます。
日本人の脳腫瘍の発生頻度は、人口10万人あたり年間約14人と言われています。
良性腫瘍は50歳代に多く、悪性腫瘍は60歳代に発生することが多いです。また、脳腫瘍の種類や発生する部位によって、年代や性別に特徴があります。

髄膜腫

脳を覆うくも膜から発生し脳の外にできる腫瘍です。
原発性脳腫瘍のうち最も頻度が高い脳腫瘍で、ほとんどがグレード1に分類される良性腫瘍ですが、数%ではグレード2、3のグレードの高いものもあります。
女性に多いです。
脳ドックなどで偶然見つかり、症状がない場合は、MRI画像検査で定期的に腫瘍の大きさを観察します。基本的には成長の遅い良性腫瘍ですが、腫瘍が大きくなり周りの脳を圧迫したり、てんかん発作などの症状が現れたりした場合には手術による摘出術を行います。

下垂体腫瘍

下垂体とは、字の通り脳からぶら下がっている器官で、脳の下面と細い茎(下垂体茎と言います)でつながっています。トルコ鞍と呼ばれる頭蓋骨の中心にあるポケット状の場所にあります。下垂体は、全身のホルモン(内分泌)をコントロールする司令塔として働いており、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンなどを分泌して、体の活動を常に維持しています。
下垂体には数種類の腫瘍が発生しますが、その多くは腺腫と呼ばれる良性腫瘍です。下垂体腺腫にはホルモンを出す腫瘍と、出さない腫瘍があります。ホルモンを出す腫瘍には、成長ホルモン産生腺腫、プロラクチン産生腺腫などがあり、過剰に分泌されるホルモンによってそれぞれ特徴的な症状が現れます。
治療方法を選択するためにはMRI画像検査や下垂体ホルモンの詳しい採血検査が必要です。
治療は、下垂体ホルモンの分泌を抑えたり、下垂体の機能を補うための薬物療法が行われます。腺腫の大きさや症状によって必要な場合には、経蝶形骨手術という外科手術が行われます。

聴神経腫瘍

聴神経から発生する良性腫瘍です。良性の腫瘍ですので数ヶ月で急に大きくなったり、脳以外の臓器に転移したりすることはありません。しかし、腫瘍が徐々に成長して大きくなり、脳を圧迫すると、ふらつきや歩行障害などの症状が出てきます。
最初に自覚する症状は聴力低下です。電話の声が聞き取りにくい、会話が聞き取りにくいなどの症状で気がつきます。腫瘍が次第に大きくなると小脳や三叉神経を圧迫して、ふらつき、顔面のしびれなどの症状が現れます。
治療方法を選択するためにはMRI画像検査や聴力検査が必要です。
治療は、腫瘍の大きさや症状によって、開頭腫瘍摘出術、ガンマナイフ治療(ガンマ線を集中的に当てる放射線治療)を行います。症状がなく、聴力がない、小さな腫瘍の場合にはMRI画像で定期的に様子を見ることもあります。
MRI検査で聴神経腫瘍と診断され手術治療が必要な場合には、聴神経腫瘍の手術を数多く行なっている専門医療機関をご紹介させていただきます。

膠芽腫

グレード4であり最も悪性度が高い脳腫瘍です。
症状は頭痛、けいれん発作、運動麻痺などで、進行が早い場合は週単位で症状が悪化していきます。
手術でできる限り最大限の腫瘍を摘出して、術後に放射線治療と化学療法を行います。
治療を行なっても腫瘍の再発は避けられず、半年から1年の間に再発し、5年生存率はおよそ10%です。遺伝子診断などを組み合わせて、膠芽腫の治療成績をより良くするための研究が日夜続けられています。


脳腫瘍の治療

脳腫瘍の治療は、WHOグレードに従って、外科手術、放射線治療や化学療法を単独あるいは組み合わせて行います。
MRI検査で脳腫瘍と診断され治療が必要である場合には、脳腫瘍の総合的な治療ができる専門の医療機関をご紹介いたします。

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Neurosurgery Clinic

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