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脳梗塞

脳梗塞とは

脳梗塞脳梗塞は閉塞性脳血管障害と呼ばれ、脳の血管に狭窄または閉塞が生じて脳血流循環が障害され、脳細胞が機能を失って神経症状をきたす病気の総称です。


脳梗塞の症状

脳梗塞になった脳の領域によって、顔手足の麻痺、言語障害、歩行障害などの症状が生じます。
症状のない無症候性脳梗塞もあります。脳の細い血管が詰まるので症状が現れませんが、脳ドックを受けた時にMRI画像で見つかります。無症候性脳梗塞があるということは、症状がなくても脳の血管に動脈硬化が起きていると考えられますので、生活習慣病の治療が重要になります。


脳梗塞の診断

mri症状から脳梗塞が疑われる場合には、MRI検査を行います。脳の血管に脳梗塞の原因となる狭窄・閉塞があるかどうかもMRI画像で診断できます。脳梗塞の原因を詳しく探るために採血、心電図や超音波検査を行います。


脳梗塞の治療

脳梗塞の治療は、神経症状が始まってから治療を開始するまでの時間が短いほど、治療の選択肢は広がりますし、症状の改善も期待できます。
症状が始まってから4.5時間以内であれば、脳血管を塞いだ血栓を溶かす薬を静脈から点滴投与します(血栓溶解療法)。脳の太い血管が詰まっている時には、カテーテルを使って脳血管内の血栓を除去する血栓回収術を行い、脳血流の早期回復を目指します。
症状が始まってから時間が経ってしまうと、脳血流が回復しても神経症状は改善しないことがあり、これが脳梗塞は一刻も早い診断と治療が重要と言われる理由です。
脳梗塞急性期と言われる早期の治療が必要な場合は、速やかに連携医療機関に紹介、搬送します。

薬物治療

脳梗塞の原因によって、血液の流れを良くする薬を選んで使用します。

抗血小板薬 (バイアスピリン、クロピドグレルなど)

血小板は、血管の内膜が傷ついたときに一次的な止血をする役割を担っています。抗血小板薬はこの血小板に作用し、血小板を固まりにくくすることで血栓の形成を防ぎます。一過性脳虚血発作や脳梗塞の発症早期は一定期間、抗血小板剤を2剤内服します。

抗凝固薬 (ワーファリン、エドキサバン、アピキサバンなど)

血液中の凝固因子に作用して、血栓形成を抑えます。直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)はワーファリンに比べて食事の影響を受けにくいと言われていますが、副作用としての出血、特に脳出血などの重篤な出血を起こさないように適正な量を内服することが大切です。心房細動という不整脈がある場合に内服することが推奨されています。
血圧を下げて動脈硬化を防ぐ降圧薬や、コレステロール値を改善する高脂血症薬なども用いられます。

リハビリテーション

手足の麻痺や言語障害などの症状に対して、機能を回復するためにリハビリテーションが行われます。早期に開始すると神経症状や生活の自立度をより改善できます。


脳梗塞の分類

脳梗塞は血管の詰まり方によって、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓、その他の脳梗塞に分類されます。

ラクナ梗塞

ラクナ梗塞は、小さな脳血管が閉塞することによって引き起こされる脳梗塞です。脳の深部にある穿通枝という血管の閉塞による2~15mmの小梗塞です。原因は、高血圧または糖尿病による小血管の障害と考えられています。
症状は、無症状から手足の麻痺まで梗塞の部位によりさまざまです。ラクナ梗塞の約20%で、発症前に一過性脳虚血発作という前兆症状を経験します。
治療は、血圧管理、抗血小板薬の内服が行われます。予後は一般に良好です。

アテローム血栓性脳梗塞

動脈硬化によって脳の血管が狭窄または閉塞し、血流が途絶えることで脳組織が障害される脳梗塞です。動脈硬化により血管壁にアテローム(脂肪やコレステロールの塊)が形成され、血管に狭窄を生じます。また、アテロームには血栓ができやすく、この血栓が血管を塞ぎ血流を阻害することで脳梗塞が発生します。アテローム血栓は頚部(首)の内頚動脈起始部や脳内の中大脳動脈にできやすく、これらの血管は狭窄をきたしやすいです。
症状は、急な片側の運動麻痺、感覚障害、言語障害、一過性の失明などが見られます。
治療は、血栓溶解療法やカテーテルによる血栓回収術、抗血小板剤の内服などです。神経症状に合わせたリハビリテーションが必要になることもありますし、再発予防には動脈硬化の進行を防ぐ生活習慣病の管理が重要になります。

心原性脳塞栓

心臓内で形成された血栓が脳の血管に移動(塞栓と言います)し血管を塞ぐことで発生する脳梗塞です。血栓が大きな脳血管に詰まり短時間のうちに広範囲の脳が梗塞に陥ったり、心臓から塞栓を何度も繰り返し起こして複数の脳梗塞を生じたりします。
心臓由来の脳梗塞を生じる原因疾患は、心房細動、心筋梗塞後の左心室内血栓、心臓弁膜症などです。
症状は突然始まり、片側の運動麻痺、感覚障害、言語障害、視覚障害、意識障害などが生じます。
治療は、急性期には血栓を溶解するための血栓溶解療法やカテーテルによる血栓回収術を行います。心房細動など心臓由来の病気を詳しく調べてから、再発予防のために抗凝固療法(ワルファリンや直接作用型経口抗凝固薬DOAC)を内服します。

特殊な病気に伴う脳梗塞

脳静脈血栓症

脳静脈に血栓ができて脳血流の循環が障害されます。神経症状やけいれん発作を起こします。若年者、女性に多い病気です。抗凝固薬で治療します。

抗リン脂質抗体症候群

抗リン脂質抗体と呼ばれる自己抗体が作られ、動脈と静脈に血栓症を来す免疫疾患です。

悪性腫瘍(がん)

悪性腫瘍によって血液の凝固異常が生じ、血栓症を起こします。脳梗塞は多発性、両側性となることが多く、悪性腫瘍による脳梗塞はトルーソー症候群と呼ばれます。

塞栓源不明脳塞栓症

脳梗塞全体の15~20%は原因が分かりません。体内のどこで発生したか分からない血栓が脳に流れてきて(塞栓)、脳血管を塞ぐと考えられています。心臓の弁が石灰化したり、心臓に近い大動脈にプラーク(動脈硬化によって血管壁内にコレステロールなどの物質が沈着したもの)ができたりすることが原因と推察されています。

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