頭痛に吐き気を伴う場合で注意することは?
頭痛に吐き気を伴う場合に注意すること、原因として考えておく病気があります。
- 突然激しい頭痛が起きた
- 何回か嘔吐した
- けいれん(ひきつけ)がある
- 頭痛がだんだん強くなる
- 発熱がある
- 物が二重に見える(複視)
- しゃべりにくさを感じる
- 手足が動かしにくい、顔に麻痺がある
このような症状の場合は、普段頭痛持ちの方であっても速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
吐き気を伴う頭痛の原因
脳梗塞
脳の血管が詰まったり狭くなったりして、脳に血流が十分に供給されない虚血という状態です。脳梗塞が起きた脳の部位によって吐き気、半身麻痺、しびれ、うまく話せない、ふらふらするなどの症状が現れます。
脳腫瘍
脳腫瘍の分類としては、脳の組織から腫瘍ができるタイプと、体の他の臓器にできたがんが脳に転移して腫瘍ができるタイプに分かれます。良性と悪性があり、良性の場合は手術をせずに経過観察する場合もあります。脳腫瘍が大きくなり脳内圧が高くなると、頭痛、吐き気や嘔吐、けいれんなどの症状が現れます。
髄膜炎
細菌やウイルスが、脳を覆って保護している髄膜と呼ばれる膜に感染して起こる病気です。ウイルス性髄膜炎に比べて細菌性髄膜炎は治療が難しく、後遺症がのこることがあります。症状としては、頭痛、嘔吐、発熱、ぼんやりするなどです。
片頭痛で吐き気が起きる?
吐き気や嘔吐などの消化器症状は片頭痛によくみられる症状です。「頭痛発作中に悪心または嘔吐(あるいはその両方)がある」ことが片頭痛の診断基準になっていますので、吐き気や嘔吐は片頭痛と診断するために重要な症状と言えます。片頭痛発作時に吐き気や嘔吐がある場合は、片頭痛治療薬や制吐薬を使用します。
吐き気と嘔吐が、続けて、周期的に起こる周期性嘔吐症という病気があります。数時間から数日間吐き気と嘔吐が続きますが、一旦症状が良くなるとその後は正常です。子どもに多く、加齢とともに自然に改善しますが、周期性嘔吐症が片頭痛に移行することがあると言われています。吐き気と頭痛の関係について診察を受けることが、より良い診断と治療につながるかもしれません。
吐き気を伴う頭痛は早めにご相談ください
吐き気を伴う頭痛は、脳卒中や髄膜炎などによる二次性頭痛を疑う必要があります。
市販薬でなんとか我慢しようと辛抱せず、つらい頭痛、いつもとは違う頭痛、吐き気がある時は専門医の診察を受けることをおすすめします。